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ほのぼーのくらぶ 「食育・食農リトルシェフ教室」

子どもたちに安全な食を!子どもの生活習慣病予防対応献立。日本の土壌風土にあった四季の恵みを生かした「食」を通して、子どもたち自らが「食」に取り組み、豊かな感性と、健康な体を育みます。

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特別寄稿

「ほのぼーのくらぶ通信」に特別にお寄せ下さいました原稿をご紹介させて頂きます。

1.小田原市議会議員 佐々木ナオミ議員

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ほのぼーのくらぶの皆様こんにちは!小田原市議会議員をさせていただいております、佐々木ナオミです。私の食育に関する考え方、市議としてどんなことに取り組みたいか、などを書かせていただけるとのことで、とてもうれしいです。
「食育」という言葉はさまざまな意味合いで使われていますが、私が考える「食育」は、まず「地産地消」とつながって「いのちの循環」を感じる学びであること。そして強制や奉仕活動でない、暮らしの一部としての「農」を感じられるものであること。 この2点がとても重要だと考えています。
昨年11月に神奈川県の事業である「かながわ産品給食デー」のモデル校である久野小学校に伺いました。久野小では、学校田があり、有機農法で子どもたちがお米を作っています。「有機農業はたくさんの学びを子どもたちに与える」と指導をしている 地元の有機農家の方がおっしゃっていました。もし除草剤を使ったら田んぼの生き物は皆死んでしまうこと、稲も人間と同じで、真に健康なら病気になってもひどくなったりしないこと。そして、有機農業の作業は楽しく、自分で作ったお米はすごくおいしいということ。 この日のメニューは自分たちで作ったお米と地場で採れた野菜のメニューでしたが、どの子も残さず食べていました。
ところでこの日のメニューですが、お米代抜きで、1食300円するのです。学校給食の1食は227円。この事業ではその差額分を県が補助するものでした。小田原市も独自で「小田原こんだて」という小田原産農産物を取り入れた事業をやっていますが、 1食はほとんどが300円を超え、400円近くになることもあります。こちらには予算が付いていないので、栄養士が何とかやりくりをしているのが実情です。学校給食に地産地消をしっかり取り入れるには、現在の給食費では安すぎることになります。 給食費の未納の問題もあるなかで、給食費を値上げするのはなかなか難しいことですし、なにより、保護者の方の理解が得られなければ出来ません。現代の家庭の食事事情が多様性を極める中で、学校の現場で食育を進めることはとても意義があることだと思います。 行政では食育に対して様々に動きがありますが、給食費の例一つをとってみても、市民との間のズレをどう埋めていくのかがこれからの大きな課題になりそうです。
このように考えてくると、「ほのぼーのくらぶ」のような、市民からの食育に対する発信が、このズレを埋めていくことにつながるのではないでしょうか。大人と子どもが一緒に学べる。そして何よりおいしいくて楽しい!こうした輪が、地域で広がっていくことが、 意味ある食育への大きな一歩になると思います。
食の安全についてさまざまに問題が出てきている今、「安いから」ではなく、どこでだれがどのようにして作ったものか、どういう経路で運ばれたのか、生産者と消費者のどういう値段が適正であるのかを学び、子どもたちが将来の賢い消費者として、 さらに未来の生産者として育つような食育にする必要があります。ぜひ皆さんと一緒に意見交換をしながら取り組んでいきたいなと思います。また、子どもたちと一緒に遊びに行きますので、その時はどうぞよろしくお願いします!

●佐々木議員の略歴●
1969年小田原市生まれ
和光大学卒業
現在ササキ補習教室を夫と営む 夫と5年生の娘、年長組の息子の4人暮らし
「小田原にCAPを広める会」代表
「小田原の学校給食を考える会」副会長
「地域のごみ市民会議」メンバー

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2.秋山歯科医院 秋山卓月朗(たつろう)先生

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交流会にご参加下さった秋山先生(写真左)

以前より私の母が、健寿医能研究会の齋藤明憲先生のお世話になっていました。去年5月に私がギックリ腰になった時、母の紹介で齋藤先生に診て頂いたのがご縁となり、 リトルシェフ教室をご支援するきっかけとなりました。食の原点となる土からの食育、食農を楽しく学んでいる子どもたちと接することで、私も元気をもらっています。
近年、美食、飽食といわれるくらいに豊かになった食生活。でも、反面で急激な軟食化が進みました。その結果、生まれてきたのが「噛まない、噛めない」子どもたちです。 噛まないと、噛めなくなります。噛まないことで、だ液を出す訓練不足になっています。更に、最近の子どもの多くは、スリムな顎、細身の顔が増えています。これは、顎の未発達による顔立ちです。 噛まなくなったために、顎が正常に発達できない結果です。小学校1~3年生で、戦前の食事を復元して噛む回数を調査したところ、戦前と比べて半分以下しか噛んでいないそうです。この傾向は子どもだけではく大人にもいえます。現代人は「噛むことの大切さ」を忘れています。
リトルシェフの子どもの生活習慣病予防のための取り組みは、すばらしいと思います。安心・安全な食材を作り、調理して食べるとき、食材の最大限のパワーを吸収するには「よく噛む」ことが大事です。 丸呑みにしては、どんなにおいしいものでも本当の味はわかりませんし、栄養も十分に吸収されません。 噛むという行為は、私たちが考えている以上に健康生活に欠かせない物です。よく噛むことの8大効果というものがあります。一肥満防止、二味覚の発達促進、三言葉の発音がはっきりする、四脳の発達促進、五歯の病気予防、六がん予防、七胃腸の働きを促進、八全身の体力向上と全力投球。頭文字をつなげて「ひみこのはがい~ぜ」といいます。 ゆっくりとよく噛むことで、少ない量で血糖値があがり、満腹感が得られ、過食が防げます。噛むことにより分泌が進むだ液は、実は、人間になくてはならない最も重要な体液のひとつです。食べ物をのみ込むための水分という以上に、詳しくは割愛させていただきますが、先に述べた効果の全身の健康に関する大活躍をしています。 正しく噛むためには、首すじ、胸、肩、背中にある筋肉を総動員して下あごを動かしますので、噛めば噛むほど姿勢が良くなります。更に頭の血の流れが良くなって、子どもは知能の発達を、高齢者はぼけ予防になります。 私たちの身体はどんなに栄養を与えても、運動機能が不十分だと正常には発達しません。よく噛むことは、単に食べ物を胃に詰めこむだけでなく、全身のさまざまな機能を活性化させる重要な役割を担っています。
最後に、ご家庭では出来るだけ家族揃って楽しく食事をすることの重要性を加えさせて頂きます。これからも、がんばってください。

●秋山卓月朗先生の略歴●
平塚市にて秋山歯科医院を開業中。

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