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健寿医能研究会

全国の健康問題に悩む数多くの方々のお手伝いをさせていただく傍ら、自分自身で健康体を手に入れ、さらに施術師になるための研修会を実施いたしております。

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陰陽に基づく食養生について

私たちは、生きる時に息をしたり歩いたり眠ったり考えたりさまざまな活動をしてエネルギーを使います。 人間の体は自分でそのエネルギーを作ることができません。ですから、太陽や土、空気、水などのあらゆる宇宙エネルギーに加え、 他の動物や植物などの命をいただくことでネルギーを補っています。「食べる」ことは、命を保つために必要で人は食べないと生きていけません。
では、人が何をどのように食べるようになったのでしょうか?そして、世界各国にはさまざまな食材や調理法がありますが、日本人は昔からどのような食事を食べてきたのでしょうか?それは、住んでいる土地の風土が関係しています。

●日本の気候の特徴
・温暖で四季がある→季節によって違う食材がとれる。
・夏は高温多湿→微生物が発生しやすく、発酵食品ができやすい(みそ、しょうゆ、納豆、漬け物など)。
・雨が多い。
・火山灰が多く、土壌が火山灰。
・清水が豊か。
・良質の水を利用。
・変化に富んだ海岸→新鮮な海の幸がとれる(魚、海藻)。

これらの豊富な自然環境に、仏教思想に基づいた精神環境から獣肉を控えるなどの要素が加わり、ごはんなど穀物からなる主食に、大豆、野菜、魚を用い塩やみそやしょうゆなどで調理・味付けした副食を組み合わせた食事が、日本の基本的なものとなりました。

私たちは、これらの日本の土壌風土に合った食を基本にさらに、明治時代に日本において初めて「食養生」を体系化した石塚左玄の考えを取り入れた食養生を行っております。

石塚左玄の食養生

石塚左玄(1851-1909)福井県出身。日本の軍医・医師・薬剤師。 彼は、中国医学の流れに、日本伝統の医学「漢方」の考え方を取り入れた「食養」を提唱し、精白しない穀類を主に旬の野菜、豆、小魚、海藻を中心とする日本の土壌風土から生まれた伝統食を見直し、天然自然から「食」を通じて学び健康になるという教えを、食養会をつくり普及活動を行いました。 また、子供の成長にとって「体育智育才育は即ち食育なり」と「食育」の必要性を日本で初めて提言しました。
そして、石塚左玄著『化学的食養長寿論』(1896年)には、次の6つの食養上の基本が記されています。

1.食本主義
 「食は本なり、体は末なり、心はまたその末なり」。食物が人を左右し、人は食物のとり方によって体格や体力、人相さらには精神的、性格的なものにまで影響を受けるとし、食事が確立してこそ人間が成り立つと説き、 心身の病気の原因は食にあり、よって食で病気を改善することができると説きました。
2.人類穀食動物論
「人類は穀食動物なり」。人間の歯は、穀物をすりつぶすための臼歯20本、野菜類を切るための切歯8本、肉を噛み切るための犬歯4本で構成されており、人類は生まれつき穀類を食べるべき穀食動物であるとしています。
3.身土不二
「郷に入りては郷に従え」。昔から、自分の住む土地の近く(三里四方)でとれたに旬(季節の食べ物の出盛りで一番栄養のある時期)の主産物を主食に、副産物を副食に食べていれば心身は環境に調和し健康に暮らせるという考えがありました。 それが、身体と土はひとつであるという「身土不ニ」の考えです。
4.陰陽調和
食物中にある飽気(あくけ)をカリ塩(陰)、塩気をナトロン塩(陽)と呼び、この2者を合わせて「夫婦アルカリ」と名づけました。カリ塩とは、穀類、菜類、果実類、海藻類など全て土および海・川に生じるいわゆる植物性食品類、 ナトロン塩とは、食塩のほかに、川・海などの魚類・貝類やすべて鳥・獣の肉類および卵類のいわゆる動物性食品の異名ですそして、。この陰陽のバランスをとり中庸を保つことで、心身の調和がとれ病気を防ぐことができると説きました。
5.一物全体
作物ひとつひとつにも陰陽があり、根や葉、皮や実のそれぞれにそれぞれの働きがあり、部分部分において陰陽の差があるので、全体を食べてはじめてバランスがとれる(中庸)と言われています。 「米」なら「白米」より「玄米」、大根なら皮を剥かず、葉もいただく、アクも旨味に変えていただくなど。それは、ひとつのものを丸ごと全部いただくという意味で「一物全体」と言われています。
6.三白追放
白米、白砂糖、白パン(小麦粉)などの精白された食品は、本来その食品の持つ栄養素がそぎ落とされ、心身のバランスを崩す原因になると説きました。

*参考文献:食医石塚左玄の食べ物健康法 自然食養の原点『食物養生法』現代語訳(橋本政憲 訳、丸山博 解題 農山漁村文化協会)

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